注文住宅を建てるなら木造と鉄骨造どちらを選ぶのがおすすめ?
「注文住宅を建てたいけど、木造と鉄骨造のどっちがいいのかわからない」とお悩みの人も多いのではないでしょうか。せっかく注文住宅を建てるのだから、後悔しない家づくりにしたいですよね。今回は注文住宅で迷っている人に向けて、木造と鉄骨造のメリットやデメリットについてご紹介します。
木造の注文住宅を建てるメリット・デメリット
地方都市や田舎でよく見かける木造の注文住宅ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。こちらでは木造住宅のメリットやデメリットについてご紹介します。
◾建築費用を抑えやすい
木造の注文住宅は、鉄骨造と比べて建築コストが抑えられるメリットがあります。一般の木造注文住宅だと、坪単価が50~60万円が平均で、安いと一坪30万円で建築できることもあるようです。
一方、鉄骨造だと坪単価が70〜80万円が平均で、鉄筋コンクリート造だと一坪あたり100万円ほどになってしまうことも。木造だと建築費用を抑えられるのが魅力といえます。
◾夏は涼しく冬は暖かく過ごせる
木造住宅はコンクリートや金属と比べると熱伝導率が低いため、外気の温度の影響を受けにくいという特徴があります。そのため、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるのがメリットです。鉄骨造に比べると断熱の工夫が必要ないのがうれしいポイントでしょう。
また、木は湿気を吐き出してくれる調質性に優れた材質です。湿気の多い時期は湿気を吸い取ってくれるため、湿度の高い日本に適した建築だといえるでしょう。
◾シロアリや火事に弱い
快適に暮らしやすい木造住宅ですが、シロアリや火事に弱いのがデメリットです。木造住宅の劣化の原因は1位が腐朽、2位がシロアリだといわれています。シロアリは、シロアリ予防の薬剤の有効期限である5年を過ぎたにもかかわらず予防施工していない家に発生しやすいのです。
また、近年の木造住宅は火事で燃え広がらないように不燃材の石膏ボードで覆う施工が採用されていますが、コンクリートに比べるとどうしても火災には弱い材質です。
◾きれいに保つにはメンテナンスが必要
木造住宅をきれいに保つにはメンテナンスが必要不可欠です。木造住宅は鉄骨造と比較すると、どうしても耐用年数が短くなりがちなのがデメリットといえます。メンテナンスを怠ると見た目が古く感じられてしまったり、害虫などの被害にあいやすくなったりして、いいことがありません。定期的にメンテナンスをする費用も見積もっておきましょう。
鉄骨造の注文住宅を建てるメリット・デメリット
鉄骨造は都会でよく見かけるタイプの住宅ですが、いったいどのようなメリットがあるのでしょうか。木造にはない鉄骨造のメリットとデメリットをご紹介します。
◾時間がたっても品質を保ちやすい
鉄骨造は、木造と比べて品質を一定に保ちやすいのが最大のメリットです。鉄骨造りで使われる素材は工場で一律生産されているため、品質に大きな差が生まれません。実際の建築でも組み立て自体は難易度が高くないので、職人や業者の技術でクオリティーに差がないのが安心できるポイントです。
◾より個性のある間取りにできる
鉄骨造のほうが、より個性のある間取りに設計しやすいのもメリットです。鉄骨造は木造よりも丈夫な柱でできているのが魅力で、頑丈さを利用して大きな吹き抜けを作ったり、窓を大きめに作ったりと、家の間取りに個性を出せます。
◾工期が長い
鉄骨造は、木造建築と比べると工期が長くなってしまうデメリットがあります。しかし、建物の柱や梁などの骨組みに軽量の鉄骨を使う「軽量鉄骨造」にすると、工期を短縮することも可能です。
◾冬は寒くなりがち
鉄骨造は木造建築と比べると断熱性が低いため、冬はどうしても寒くなりがちです。熱をなるべく外に逃がさないように、昨日の高い断熱材を採用したり、部屋の中を暖かく保つ工夫をしたりと、なにかと対策が必要になるでしょう。
結局、注文住宅は木造と鉄骨造どちらがおすすめ?
木造と鉄骨造のどちらにもメリットやデメリットがありますが、実際のところ注文住宅はどちらがおすすめなのでしょうか。木造住宅に向いている人と、鉄骨造に向いている人についてまとめました。
◾予算を抑えたい人は木造住宅がおすすめ
住宅によっては木造住宅と鉄骨造で価格に2倍の差が生まれるため、「建築予算をなるべく抑えたい」という人は木造住宅を選ぶのがおすすめです。「ほかにも木造住宅の暖かい雰囲気が好き」「夏も冬も快適に暮らしたい」という人は木造住宅を選ぶといいでしょう。
◾開放感のある家にしたい場合は鉄骨造がおすすめ
「なるべく開放感のある家にしたい」「間取りに個性を出したい」という人は、鉄骨造がおすすめです。鉄骨造は木造では出せないスタイリッシュな雰囲気に仕上げられるため、おしゃれな家にしたい人にもぴったりでしょう。また、火災や地震などの災害対策もしっかりしたい場合にも最適です。
◾木造のほうが保険料は高くなる
木造住宅と鉄骨造りでは、火災保険や地震保険の原料にも差があります。どちらかというと木造住宅のほうが保険料は高くなりがちです。一般的には鉄骨造の住宅を「T構造」といい、木造住宅を「H構造」と分類します。T構造の住宅は防火性のある建物も見なされ、保険料が安くなるのです。
注文住宅を建てる際に木造か鉄骨造か悩む場合は、快適に過ごしやすい家がいいなら木造を、防火や耐震性能を優先したいなら鉄骨造を優先して考えるのがおすすめです。ただし建築費用は木造のほうが安いため、「建築費用を抑えたい」という人は木造を選ぶといいでしょう。近隣の家を参考にして、自分にぴったりな注文住宅を建ててください。