地震に強い?2×4工法ってどんな工法なの?
日本における住宅設計には色んな方法がありますが、広く知られている工法の1つに「2×4工法」と呼ばれるものがあります。日本の住宅を支える木造工法であることから広く採用されており、現在すでにお住まいの方も多いのではないでしょうか。この記事では地震に強いとされる2×4工法についてクローズアップします。
2×4工法ってどんな工法なの?
木造工法の1つとして知られる2×4工法ですが、そもそもどんな工法なのでしょうか。2×4という数字にもある通り、角材の大きさが2×4で作られているものを使って、壁パネルを主体に作る工法のことを2×4工法と呼びます。
日本のハウジングメーカーが積極的に採用したことから日本生まれの工法のイメージが浸透していますが、実はアメリカやカナダなど、北米エリアを中心に生まれた工法の1つです。規格を統一していることからスピーディーに建築でき、住まいの量産を可能としています。
角材で作り上げる枠組に6面のパネルを合わせて1つの箱を作り上げる手法となっており、従来から日本に存在していた柱を主体とした木造建築とは異なります。壁、つまり面を多用することにより構造を安定させているのです。壁の内側には断熱材を使用することから省エネ志向の高い住まいが完成できることも魅力の1つとされています。
主なメリットは以下の3つです。
断熱はもちろん、気密性も高い
面を多用させる2×4工法は壁を工夫することで家全体の断熱効果はもちろんのこと、気密性を高める効果もあります。北米という寒くて厳しい環境で生まれ人気が高まった理由の1つは、温かくて暮らしやすいというメリットがあるからなのです。また。壁を多用することから柱を主体とした従来の工法よりも耐火性が高く、火事にも強いとされています。
規格品の暮らしやすさがある
2×4工法は角材や壁に規格があるため、量産しやすいというメリットがありますが、規格品だからこそ職人による作業のバラつきが生じにくく、高品質な家がスピーディーに完成するという魅力もあります。
システム化された工法のためミスが起こりにくく、入居後に「こんなところにミスが」という不測の事態を避けやすいのです。欲しいと感じた家がそのまま完成するメリットがあります。
2×4工法の強みとは
メリットが多い2×4住宅ですが、最大の強みとは何でしょうか。断熱効果や気密性も大きな魅力であることは確かですが、地震が多い日本において2×4工法の最大の魅力とはやはり「耐震性」といってもよいでしょう。では、どうして2×4工法は耐震性があるのでしょうか。強みの特徴は以下のとおりです。
面で支えるため強度が優れている
在来工法ともいわれている日本の従来の住まいや、柱を主体とした構造です。一方で、2×4工法は壁を使っているものです。つまり、面で家全体を支えているため揺れに強いとされるのです。揺れを壁全体に逃がすことで倒壊のリスクを下げる効果もあります。
実績が豊富
日本は地震大国として知られており「東日本大震災」の甚大な被害は記憶に新しいものです。東日本大震災では多くの住宅が地震によって失われてしまいましたが、2×4工法の住まいの一部は無事に揺れに耐えきった実績が報告されています。
2×4工法は阪神淡路大震災や新潟県を中心に発生した中越地震でも地震に強かった旨が報告されています。震度7を観測し被害が大きかった中越地震では2×4工法の家は驚くことに全半壊がなく、すでに実績が豊富であることが証明されています。
耐候性にも優れている
耐震性に優れている2×4工法は壁を使った強みを生かすことができるため、地震以外にも強みを発揮しています。揺れに強い特徴から台風にも優れているとされており、近年多い強風にも強い家として知られています。
設計に制限があるので要注意!
メリットが大きい2×4工法ですが、実際に建設を行うにあたって知っておくべき注意点はあるでしょうか。角材と壁を多用し、1つの箱を組み立てていくような手法である2×4工法は「設計への制限」がネックとされています。つまり、箱を作る工法である以上、間取りの設計を容易に変更ができないのです。
規格化された設計を生かすことこそが強みであるため、規格を変えることができません。住宅建設後はリフォームをしたいと考えても壁を使った工法であるため、壊せない壁もあります。
在来工法は柱を主体としているので間取りの設計は自由度が高く、大きな違いがあるのです。また、吹き抜けや大きな窓を多用した住まいなどは2×4工法の規格にそぐわないため、実現が難しいのが現状です。在来工法と比べると住まいのデザインには差異が生じるので注意しましょう。
しかし、まずはネットで検索していただくとわかりますが、2×4工法は画一的な外観や内装ばかりではありません。質実剛健な和風スタイルから、北米を彷彿とさせるユニークな住まいまで、2×4工法でも充分にさまざまなデザインを楽しむことができます。
まとめ
この記事では耐震性に優れており、規格品ながら自由なスタイルも充分に楽しめる「2×4工法」の魅了に迫りました。この記事をきっかけに在来工法との違いを知っていただけたでしょうか。設計上は在来工法と比べると自由度は下がりますが、素敵な住まいも多く魅力が詰まった建築方法です。
また、スピーディーかつ完成度が高い住まいが実現できます。現在家の建築をご検討の方は、2×4工法も視野に入れてみてはいかがでしょうか。